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ひとの想い

【ちっごのひとびと】抱きしめられる今を大切に。久留米大学小児がんの親の会「木曜会」代表池田久美子さん

 4年前、友人である権藤華蓮さんの3男隼治朗くん(5歳)が急性リンパ性白血病と診断されたと連絡がありました。1歳未満での発症は、日本で年間20人ほどしかいない珍しい病気だそうです。今では元気いっぱいの隼治朗くんですが、闘病中、権藤さんご家族の大きな支えになった久留米大学小児がんの親の会「木曜会」があることを教えてくれました。メンバーの中にはお子さんを亡くされた方もいるそうです。「同じような思いに苦しむ子どもと家族の少しでも助けになれば」と活動を続けている「木曜会」代表・池田久美子さんに貴重な話を伺ってきました。(ちっご版編集長 池田彩)

久留米大学小児がん親の会「木曜会」代表 池田久美子さん

木曜会お問合せ TEL090-3010-9565

 

Q.「木曜会」とはどんなグループですか?

1981年に発足した「久留米大学小児科 血液グループ親の会」です。まだ情報が少なかった頃、「もっと子どもの病気について勉強し、支え合っていこう」という栗田彌生さんの声かけで立ち上がりました。

現在、会員は11家族。月1回の定例会の他、レクリエーションを計画したり、相談の窓口になったりしています。「公益財団法人がんの子どもを守る会(CCAJ)」とも協力しあいながら活動中。40代~70代と年齢も幅広く、病気のことだけではなく、子育てや人生について学びあう大切な仲間たちです。

 

Q.お子さんの事を聞かせてください。

 長男啓一は、生後7か月で悪性リンパ腫と診断されました。途中、一度は家に戻りましたがすぐに再入院、はじめて覚えた言葉は「やめて」と「痛い」。点滴の棒を支えにつたい歩きをしていました。1年7か月の闘病生活を送り2歳4か月で亡くなりました。

啓一は2度の流産の後やっと授かった子どもで、亡くした後は言葉にはできないくらいの喪失感が襲ってきました。それでもありがたいことに、2年後に無事に女の子を授かり、出産することができました。長女は現在23歳になります。

啓一が入院中、よく『機関車トーマス』の絵本を読み聞かせていたのですが、男の子と女の子が登場するシーンになると必ず、女の子を指さして「いもーと、アミ。」と言っていました。胎内記憶があることや、生まれてくる前に兄姉で約束をしていることがあると知り納得しましたが、不思議でたまりませんでした。

 

Q「星まつり」について教えてください。

木曜会では年に1度、海の日に「星まつり」という亡くなった子どもたちの慰霊祭を行っています。息子を亡くして2年ほどした頃、第1回目の星まつりの案内が届いたことで会の存在を知りました。生後2か月の長女がおり、ためらっていましたが、せっかく案内をいただいたので、思い切って参加するのをためらつておりましたが、せっかく案内をいただいたので思いきって参加することにしました。それまで人前であまり泣かないようにしていた私ですが、そこは思い切り泣ける場であり、思いを共有できる貴重な場所でした。翌年からスタッフとしてお手伝いするようになり、「星まつり」は来年で25回目になります。

毎年、海の日に子どもが亡くなった後の悲しみを分かち合おうと、「星まつり」という追悼会を開催。「お星さまへのメッセージ」には、亡くなったお子さんへのメッセージがたくさん綴られている。

 

Q。日韓交流をしているそうですね。

カナダのバンクーバーで開催された国際小児ガンの会議に木曜会のメンバーでもあり、「ガンの子どもを守る会」九州北支部の前代表の高橋和子さんが参加した際、韓国の方と隣同士になったのがご縁で交流をスタート。毎年交互にお互いの国を訪れるようになりました。

同じ悩みをもった親子同士、言葉の壁を超えて「生きる力」を育む大きな支えとなりました。ここで出会い成長した子どもたちが、今さまざまな場所で活躍しています。

今年は10年という節目の年でした。九州大学で日韓交流の研究発表をしたあと、宿泊先に移動。そこでは和食や韓国料理をつくって食べたり、テーマごとにグループワークで学びあったり。準備は大変でしたが、寝食をともにすることで韓国の方々はもちろん、自分たちの結束も深まり、その後もより一層和気あいあいと活動を続けております。

日韓交流10周年を記念して、福岡県うきは市で開催されたお食事会(5月20日)お互いの国の料理をふるまいにぎわった。

韓国のキム・ミンウさんと久留米市在住の権藤隼治朗くん。

「日韓交流で国境を超えて友ができ、笑顔が増えた」とキムさん。

 

Q.子育て中のお母さんへ伝えたい事は?

闘病中私は、子どもに隠れて思いっきり泣ける部屋が欲しかった。現在も、治療中のお子さんを持つお母さんたちは皆、辛く悲しい日々を送られているかと思います。でも、決して一人じゃないと伝えたい。

メンバー2人が病棟でヨガを教える活動も始めました。これから先少しずつ、ご家族と話しをする時間もつくっていけたらと思っております。

お腹に宿ることも、無事に生まれて来ることも、健康に育つことも、決して当たり前のことではありません。子育ては大変だと思いますが、抱きしめることができる時期は本当に短いのです。一日に一度は思いっきりギューして、この時期ならではのかわいさをいっぱいいっぱい抱きしめてください。

 

 

 

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