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ひとの想い

【ほとめき男子図鑑】№20 千栄寺副住職 江越 賢孝さん

街のほとめき男子図鑑

福岡県久留米市にある西鉄櫛原駅から徒歩5分。 国道3号線を挟んで向かい側に広がる一角『久留米市寺町』

20人目となる、ほとめき男子は、ここ寺町にある17の寺院の中の1つ千栄寺副住職です。

【図鑑No.020】 千栄寺 副住職 江越 賢孝(えこし けんこう)

【発掘エリア】(ここに来たら会えます) 久留米市寺町21

【年齢】32歳

【血液型】A型

【身長】173㎝

幼い頃から、いつかは仏教の道に入るんだろうなと思っていたという江越さん。
この道に入る前は、なんとロングヘアーだったそうです。副住職となり普段着る服は作務衣ばかりですが、洋服が好きで大学卒業後はアパレル関係のお仕事に就かれていたそう。

今回は、千栄寺の歴史とともに副住職の想いをみなさまの元へお届けします。

 Q.ここ寺町について教えてください。

江戸時代、久留米藩のお殿様が久留米城(現、篠山城)の『東を守る砦』として町の防衛のために、寺町に26の寺院を集めたことが始まりです。

現在も17の寺院が通り沿いに立ち並びます。 各お寺の景観や庭園風景を楽しむ参詣の方々も多いそうですよ。 17の寺院の中には各地で活躍した著名な先人方が眠っているお寺もあります。

 妙正寺には、久留米つつじの始祖『坂本 元蔵』

遍照院には、江戸時代後期の思想家『高山 彦九郎』

徳雲寺には、久留米絣の始祖『井上 伝』

そして、千栄寺には久留米を代表する実業家兄弟『石橋 徳次郎』『石橋 正二郎』のお墓があります。

 

歴史情緒溢れる久留米市寺町。
中心市街地にありながら落ち着いた雰囲気を味わうことができます。 またここ寺町では月に一度、住職さんの寄り合いも開催されてあるそうです。

 「今度うちのお寺で○○します。ご迷惑をお掛けします」

 「駐車場を貸してください」

「最近どうですか?」

 宗派が違うと繋がりや、お付き合いがなかなかないことも多いのですが、ここ寺町は違うんです。

お寺にも、住職のみなさんにも、そして町全体にも恵まれている寺町です、と江越副住職は教えてくれました。

✔千栄寺

久留米出身といえばブリヂストン。その創業者一族石橋家の菩提寺がここにあります。 一見、教会のような外観建築のお寺。 久留米に縁深い『菊竹 清訓』による建築です。 石橋美術館なども建築された方ですね。

寺町ができる前から続いている千栄寺。 17世紀に開山した曹洞宗の禅寺です。 50年前に、菊竹清訓氏がデザイン建築して、石橋正二郎氏の寄進により改修されました。 レンガ造りで教会風の本堂。ステンドグラス風の窓からは、仏教の色、緑・黄・赤・白・紫が射し込むようにデザインされています。

 Q.江越副住職の考える、千栄寺のこれからについて教えてください。

お寺って本来、納骨堂や、お墓がなくも、檀家さんではなくても自由に出入りすることの出来る場所なんです。 地域の方にはもちろん、誰にでも開かれた場所なんです。

千栄寺だけでなく、いま“お寺”に足を運ぶ人たちが減っています。

昔ながらの、地域と密接な繋がりを大切に守りつつ、若い人たちも気軽に来れるようなそんなお寺でありたい。

『寺町』という特殊な町並みを活かし、残して、そして伝えていくお手伝いがしたいですね。

伝統を守るということは、変えていくことでもあります。

長い歴史の中でやってきたことを、今の時代に合うものへと転換していくこと。

「開かれた場所」

江越副住職のお話を聞きながら、私達の生活の中に「お寺」という居場所があり、なぜか心休まる、安心する、そんな場所として日本の心を皆様に伝えていきたいと感じました。

江越副住職の信念としている言葉とは。

直心(じきしん)

 この道に入ろうと決意し、修行に行くときにお父さまである住職から『直心』という言葉をもらったそう。

ただまっすぐに、ひたむきな心という仏教語。

信念というか、常に私の胸にある言葉ですね。

お父さまから受け継いだ言葉を胸に、未来を見つめる姿は、守り創る安心感を感じさせていただきました。

先日お寺での久留米絣のファッションショーが行われ、そちらにモデルとして参加された江越副住職。 絣を着てショーで歩いてみることで色々な気付きが生まれたそう。

“絣”と“お寺”

一見なんの接点がないもののようですが、今のこの時代に温故知新で伝統をリオーガナイズし発信していくという点では、絣とお寺はとても近しいものを感じます。

絣にも、お寺にも“ショー”というスパイスを加えることでまた新たなものとして感じ得ることが出来るのかなとも思いました。

お寺でのファッションショーという意外性。この「意外性」がまた新しい歴史を刻んでいく。久留米の寺町が日本の最先端となる文化をつくりあげてくださる予感がしました!

ただまっすぐに、そしてひたむきに
これからの時代のお寺のあり方、寺町という特殊な地域のあり方、活かし方について語る江越副住職の見つめる先にはどんな久留米市が、寺町が、そして千栄寺があるのでしょうか。

 

千栄寺 久留米市寺町21

文・企画:國武 ゆかり
写真・編集:中村 路子

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