人と街とモノをツナゲル つながる図鑑

ひとの想い

【リアル化女子】no.002株式会社 創筵 代表取締役 下坂美佳さん

  • Profile
    下坂美佳(しもさか みか)
    • 株式会社創筵(そうえん)代表取締役
    • 1980.5.20生  久留米市在住
    • 城島小〉城島中〉
    • 桂由美ブライダルファッションコーディネーター
    • 21歳で結婚〉34歳で離婚
    • 中3女/中1男/小5男 3児の母

    今年で創立70周年を迎える創筵。
    ワラを編むことを「筵(むしろ)」という。
    い草も編み込み創られていくことから「創筵」-そうえん-と名付けられた。
    祖父・父の想いを受け継ぎ、現社長としてい草業界に新しい風を運ぶ先駆者。

    1200年も前から日本人に愛されてきたい草。

    • 和の象徴でもある畳の文化と共に、今の時代から始まる文化をつくる美佳さんの想い。
    • しっかりと自分の足で力強く歩んできた、そして決断してきたからこそココにいる。

    離婚後半年間の空白。
    再スタートのキッカケがここにあった。
    社長として、経験者として、母親として「今」の私にできることを。

    下坂美佳さんのリアル化をお届けします。

    • 空白からの転機

    • 約2年前に離婚。
    • 専業主婦として13年、様々な想いを抱いて過ごしてきた。

    自分を押し殺す日も。子ども達に助けられた日も。自分を責めることで解決してきた日も。

    • この年月は決して一言では表せない現実を生きてきた。
    • 愛し愛されて選ぶ縁、小さな頃から描いてきた夢。
      ひとつひとつ選択していく人生は、決して簡単なものではない。
      たった一枚の紙切れで成立することも、人生を180度変えてしまう現実がある。

    離婚後の半年程、何をしていたのか、何を考えていたのか覚えてないんです。
    私にとっての空白の時間でした。と。

    子ども達を3人連れて、創筵の社長となった美佳さん。
    空白の時間の切り替えとなったのは人との出逢いでした。

    出逢いが嬉しい

    「何でも協力するからね!」

    離婚1週間後に代表取締役として立場を置いた美佳さんにとって
    既に自分の会社の土台を築いている女性経営者の方々の言葉は、何の迷いもなく心に響いていた。

    1. 今まで知らなかった世界を見せてもらったんです。アドバイスもたくさんいただきました。

    仕事はみんな大変だけど、その奥にある人と人との付き合いを楽しんでいて。

    業種も違えば、仕事上の接点もないけど、繋がりを大切に大切にされてある姿がとにかく美しく、刺激となっていきました。

    1. 誰かと出逢えること、出逢いが自身の見る世界を変えてくれたこと。

    「出逢いが嬉しい」

    この想いが溢れてきた時、空白の時間の全てが転換し、美佳さんの新しい出発となりました。

    1. ショートヘアとロングヘアの美佳さんを描く画
    2. 広げたい想い

    今、美佳さんはひとつのプロジェクトを推進中。

    1. ママファースト プロジェクト

    2. 家庭課題を抱き、DVなどの誰にも言えない苦しみを抱えている女性。
    3. 逃げ場もなく、安らぐ時間もないママ達など。
    4. 世の中にはきっと、見えないだけで、知らされないだけで、様々な悩みを抱えた人達がいる。

    その人達の為に、私ができること・・・

    ①ストレスのない働き方

    1. 「ママ」という職業は365日。24時間。休みはありません。
    2. その中で更に仕事を抱えて働くママ達の、プラスになる働き方の提案。
    3. 現在、創筵で働くママは、パート・社員合わせて11名。
    4. それぞれの家庭事情に合わせた働き方を選べるシステム。
    5. 出勤時間、退社時間を決めないこと。報告も無し。やれる時にやれるだけ。
    6. 子どもの急な発病にも、学校行事時にも、申し訳ない、、そんな気持ちは必要ない。
    7. 美佳さん自身が子育ての中で感じてきた疑問点を革命したとも思える働き方。

    今年もママ社員さん4名を採用されました。

    ②24時間解放スペース

    1. いつでも落ち着ける場所がある。真夜中でも駆け込める。
    2. そんな場所を地域にある企業がつくっていくこと。
    3. 奥の奥に潜む女性の気持ちを理解できる経営者が増え、難しい仕組みにも取り組んでいく。

    創筵では、24時間事務所の一角を解放しています。

    リラックスしていいよ!と社会が手を挙げていける地域が必要だと言う。

    この声をひとつひとつ伝えていく、ママファーストプロジェクト。

    堂々と家庭を第一に考えていける環境を我が社から。
    職場がストレス発散となるぐらいの職場をつくる。

    • まだまだ社会は男性の経営者も多い中、
      女性だからこそ憶えるサポート体制を実践し可能にして広めていく強さと謙虚さが、

    この人の元で働きたい。。。
    そう人を惹きつける魅力に繋がっていると感じました。

    1. 経営者として

    2. 経営者になり2年。
    3. 学びながら支えてもらいながら進んでいます。

    経営のことも何も分からないまま社長になって、今もこれからも勉強中なんです。

    1. 当社はこの70年弱、お仏壇の前に引く座布団専門店でした。
    1. 経営者視点で我が社の商品をみた時に「これじゃ、面白くない」今の時代に合わせた商品開発が必要!と思い、
    2. 座布団を四角から丸へと、カタチを変えるところからはじめました。
    3. 若い世代の方々にも愛される、い草商品を。
      求めれば求めるほど、「違う、違う」の繰り返しで。

    4. 途中で諦めそうになることも日常茶飯事。
    5. でも、「絶対に諦めない」
    6. 私が使いたい!と心から思うものつくる。

    ただ、この強い気持ちだけを貫いてきました。

    1. 商品開発の基準は「私が使いたいか、使いたくないか」
    2.  
    3. 新しいモノを作りたい!という想いはあっても、カタチにするのが難しい。
    4. でも、とにかく声に出してみる。追及を言葉にしてみる、諦めずに伝えていくと、
    5. 見る見るうちにカタチになっていきました。

    「こういうのは作れないだろうな・・」という固定概念があったんです。

    1. 商品に対してだけではなく、生活の中でも、人間関係の中でも、
    2. 最初から「諦める選択」をしていることが多いのかもしれないと感じました。

    伝えていくと、願いは叶うものですね!

    1. 新しいモノを生み出すことは、簡単ではありません。
    2. でも、「何があっても諦めない」と決めてしまうこと。

    自分の中で、「ぶれない基準決める」こと。

    1. 一歩一歩前に進むためには、決めて貫く強さが、リアル化を求める秘訣なのかもしれません。
    1. 今の私に出来ること

    い草を扱うメーカーも時代と共に減ってきている現状。

    1. 生産の制限、染色する技術も減少。
      30年前は9000件あったい草農家が、今は300件ほど。

    2. 本物を作っている企業が倒産していく現代。

    企業ごとの壁を取り払い、手と手を取り合っていきたい。
    日本のい草経営者の中で、私が一番若いんです。
    若い人達にも愛される商品を開発してもっともっとこの業界を盛り上げていきたい!

    自身の会社の発展としてではなく、若いからこそ!女性だからこそ!の力を発揮して
    今の私にできること。私だからできることを。い草を通してやっていく。

    1. 夢をリアルへと

    Q.これからの夢は何ですか?

    子ども達が1日の半分を過ごす幼稚園や保育園から小・中・高・大学までの教室の壁をい草にすること。

    老人施設など、人が集まる、過ごす場所の壁に、い草を取り入れていきたい。

    1. 床ではなく、壁。

    い草は、集中力アップ効果や、香り・殺菌効果。
    隣の部屋に音が漏れにくい吸音効果なども、検証結果がでているそう。
    畳に画鋲を挿しても、戻る力があるから穴も開かない。
    インフルエンザなどの感染症なども畳効果で軽減できるとみられている。

    1. 美佳さんが描く未来は、子どもから高齢者までが暮らしの中でい草に囲まれる当たり前をつくること。

    1200年続くい草の文化が、美佳さんの想いからまた新しい文化を切り開いていく。

    1. ひとつひとつ、そのリアル化に向けて前進していくことが歴史となっていくということ。

    話を聞けば聞くほど、い草という商品自体の魅力にも引き寄せられていました。

    1. 人生の原動力

    Q.美佳さんの仕事に対する原動力って何ですか?

    子ども達です。

    迷う事なくお答えいただきました。

    1. 私の生活は、ドーナツみたいなんです。

    ドーナツの真ん中に我が子が常にいて、その周りが会社であり、社会なんです。

    • この子達が、この仕事を将来したいかな?と思いながら仕事をつくっています。

    仕事で起こった出来事、出逢った人達、学んだこと、感じたことは子ども達に伝えています。
    娘息子3人が3人、創筵の社長になる!って今は言ってくれています。

    長女はい草を海外に伝えたいと夢を掲げ、毎日英会話づけ。高校生になったら留学して支社をつくる!と。

    本当は中学から留学したいって言っていたんです。でもお願いだからまだ傍にいて、、と頼みました!笑

    「代表取締役」「株式会社」「女社長」こんな響きはきっと、私には程遠い・・と思う女性も多いかと思います。
    この人だから出来るんだ、、なんて感じることも。

    子ども達の話をしている美佳さんは、柔らかく優しく母性愛で包まれたママでした。
    きっと、置かれている現状に奮起し続け、今もなお行き着く先を見つけながら、いくつもの顔を持ち合わせて生きる。

    そして、我が子に見せる背中は、美佳さんのそのまま、ありのままなんだろうなぁと感じました。

    取材を終えて

    子ども達に対しての愛が溢れる人でした。
    母として、経営者の道を選んだようにも思えました。

    美佳さんの根本にある「ママ達へ贈りたい環境づくり」に対して、実際に可能にしていることがただただ頭が下がる思いでいっぱいになりました。
    ココ久留米市城島町に、こんな風に受け止めてくれる場所があるんだ!こんな働き方してみたいなぁ!と希望を持てることができるだけでも
    女性として、ママとして生きる私たちにとっては計り知れないほどの安心になります。

    い草の文化を受け継ぐ先駆者としても、
    そして、ママの安心を当たり前にする文化をもつくってくださるのだと。

    「私らしく生きていい。」そんな声が聞こえてくるような時間となりました。

    リアル化女子

    2017年3月に福岡県久留米市で行われた
    「マチをリアル化する 1000人女子会」をきっかけにスタートした当企画。

    久留米市には、ある分野に特化し夢を実現化させている女性。
    志と女魂でひとつひとつの壁を乗り越え続けて獲得していく女性。
    そんな女性達が、この街にはたくさんいます。

    肩書きでは見えない彼女達の素顔を伝えていけることが、誰かのリアル化に繋がる出逢いとなるように。

    • この記事を読んでくださっている皆さまへ。
      自分らしく。ありのままで。私にできることを。
    • 今、そう自分の中にある動いている物事や感情に対して
    • リアル化女子企画が少しでも皆様の飛躍していけるキッカケとなれば嬉しいです。
    文・企画:中村 路子
    写真・編集:國武 ゆかり