人と街とモノをツナゲル つながる図鑑

ひとの想い

人と人の間を幸せでつなぐ段ボール。久留米紙器工業株式会社

私達の普段の生活でかかせないもののひとつ「段ボール」。
「わたし、段ボールを使った事ないよ」という人はきっといないでしょう。

福岡県久留米市の筑後川の側に、段ボールを製造しているメーカー「久留米紙器工業株式会社」がある事を皆さんはご存じでしょうか?

今回、つながる図鑑にて、筑後川沿いに位置する企業の紹介バトンを繋ぎ結び合う企画を担当をさせていただくことに なりました、中村路子と申します。 「緊張」どころか、社会人1年目の新人研修かのように、右手と右足が一緒に出て歩くような気持ちで 繋いでいただくバトンを、皆さまへお届けしたいと思っております。

記念すべき、第一回目となる企業様は、昭和22年に創業し、69年の歴史を持つ、久留米でも大切な企業のひとつとして 存在する久留米紙器工業株式会社。


いつも身近にある段ボールの価値に、
ここまで着目したのは初めてでした。

西田工業団地内に位置する広々とした敷地に、ドキドキしながら足を踏み入れ、社長にご挨拶。社長と名刺交換をさせていただき、顔をパッと上げた瞬間、

「あっ・・・私が中学校の時にニュージーランドに一緒に行った時の団長さんだ・・・」

十数年ぶりの再会で一気に緊張が溶けました。懐かしくて嬉しさが溢れてきました。

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久留米紙器工業株式会社
ー深町保介代表取締役社長ー

なんと、私が中学時代にカルキャッチ久留米という久留米市ふるさと文化創生市民協会主催の中学生から高校生までの 学生10名が夏休みに2週間ニュージーランドにホームスティができる!という企画で参加させていただいた時の引率者でありその時の団長さんだったんです!!

「すいません・・私、社長と一緒にニュージーランドに行かせていただきました・・」

社長はすぐに思い出してくださり、取材スタート時から、あの頃に戻ったかのように取材を忘れて思い出話に花が咲きました。

久留米のこんな歴史ある会社の社長だったなんて知らずにいた私。そこから会社の理念や歴史、次世代に繋ぐ想いなど 社長の中にある進む原点をお聞きしてきました。

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「うちの商品にスポットをあてられることはない」

この社長の言葉。「段ボール」という当たり前に存在し、大切なものを運んでくれるものとして縁の下の力持ちのような存在。 社長が言われるように、「段ボールをつくる会社」や「段ボールが出来上がるまでの工程」には、今まで触れてみることもありませんでした。

企業として掲げる目標は、 「お客様の先の消費者ニーズ、そして社会のニーズを見つめて信頼される企業」 「明るく元気な笑顔いっぱいの地域社会づくりに貢献」

社長のお話を伺いながら、段ボールとは人と人との信頼関係やご縁を結び、時には命を助け、時には責任を伴う。生活の中で の当たり前を超えて、幸せを運ぶ役割を担う段ボールは、『あえてスポットを浴びないことを選択した』かのように、私の心に届いたのでした。

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さて、ここで皆さん「段ボール」って、他の紙とどう違うの?と聞かれたら答える事は出来るでしょうか?

日本ではじめて段ボールの製造に成功したのは「井上貞治郎」という方で横から見た際に「断面の波型が階段状に見える」「原紙にボール紙を用いていた」事から「段ボール」と名づけたといわれています。

厚い紙=板紙2枚の間に波状に加工した板紙を挟み接着した「段ボールシート」を製作しその「シート」をケースに加工したものが「段ボール」となります。

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「工場見学」というのも、小学生時代の社会科見学以来・・。「もの」になるまでには、ひとつひとつ工程があることは理解しているものの、 その「もの」の背景の楽しさを知らずに34歳まで生きてきたのか・・・と実感するほど、ワクワク楽しいものでした。

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工場内に積み上げられた段ボールシート。層の数によって強度が変わり、用途によってシートを選び、各企業の専用段ボールが仕上がっていきます。 大きな機械で流れていく程、見慣れた段ボールに早変わりする中で、削られたカットされた切れ端が大量にでてきます。

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段ボールといえば「資源の循環」。

ここ、久留米紙器工場では、段ボールの小さな切れ端や破片でも無駄にしないリサイクル技術が施されていました。工場外から見えるこの大きな機械が、 通常ゴミとなってしまう切れ端の段ボールを集め、もう一度再利用するため設置されました。 20年前は80%のリサイクル率。この時代でのこの確率も驚くべきものですが、「リサイクル」にこだわり続け、現在100%に近いとのこと。現代のエコ社会の師匠と言っても過言ではないひとつの証を見せていただきました。

皆さんが使用して古紙として資源回収に出された段ボールは、再度、段ボール原紙の主原料としてリサイクルされます。そのリサイクル回収率は、なんと90%以上!段ボール原紙原材料は100%古紙で出来ているからとっても、エコな製品なんですね。

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段ボールまでの道。

工場には段ボールシートから完成までへと、大きな大きな機械が整列。シートに印刷する、持ち手穴を開ける、折り目を付ける、、、 ご依頼先のロゴマークやブランド名を印刷する機械は、コストダウンや生産性向上など、環境対応にも優れた印刷機を用いること。 そして、リサイクルのため切れ端を機械風によってまとめていく機能を用いるなど、「環境対策」にも妥協しない想いがココにもありました。

さて、今度は、段ボールが出来るまでの工程をひとつひとつ見て行きましょう。

①図面作成・サンプル作成

「こんな段ボールが欲しい!」とお客様からお話があったら営業の方が箱の大きさ、形状、印刷の有無・デザインなどの打合せをしてサンプルを作成します。
サンプルは、CADと言われる機械で製作していきます。

②段ボールシート

サンプルが完成し、注文が決まったらいよいよ段ボールの製作に入ります!
これが、段ボールの原判、「段ボールシート」と呼ばれるものです。段ボールの表面は基本、茶色のシート・白のシートがあります。デザイン・印刷にこだわる際はコート紙と言われる板紙を貼合し製作した段ボールもあります

③印刷

シートが決まったら印刷へ!段ボールの印刷って、こんなに大きな印刷機で行うのですね

④打ち抜き

「木型」と言われる型を使って、段ボールを打ち抜いていきますこうする事で、段ボールを製品にする際に必要となり折り目(=罫線といいます)加工を行う事が出来るのです。

④製函

印刷が終わったら、いよいよ製函。物凄い速さで機械を通りながら段ボールが出来上がっていきます!

⑤出荷

製品が完成したら出荷きっと多くの方の生活に役立ってくれることでしょう。誰かの手元へいってらっしゃい!!

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手作業でゴム版を作成されてます。

工場の一番奥に扉を見つけました。ご案内していただき、扉を開けると一人の女性が作業をされています。 その手の指先には、細かな文字をゴム版に彫り小さな小さな文字が消しゴムハンコのように完成されていました。

「元々、このようなお仕事をされてあったのですか?」

この会社に入って6年。入社時はゴム版掘りの担当になるとは思ってもいなかったそう。

「印刷では出せない細かさや、対応の素早さは、やはり手作業が一番ですね!」と、さすが6年の技術には簡単には真似できない技術力と会社全体でのチームワークがあってこそのこだわりが見える空間でもありました。

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段ボールアート

曲線あり。真ん中に穴あり。こんなの誰が作られたのか( *´艸`) 見てください!この大きな蝶々。段ボールでできているんです!!羽のデザインも、足の細かさも、すごすぎます!! 工場見学で最後に見せていただいたのは、こんな立体的なアート作品が作れる機械。 データを入力すると、みるみる内になめらかに切り込みがいれられていく不思議な機械。

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データと連動させているため、何でもつくれちゃうそうで、蝶々さんも、アリさんも、こども達へのプレゼントにしたくなる 段ボールアート。お土産までいただきました。

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包むだけじゃない、箱としてだけではない魅力。これから様々な場面で大活躍してくれる予感です!

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段ボールって、幸せを運ぶ箱船では?

この工場内で見える、ゴムの街久留米だからこその、ほかの用途でも使い続けたくなるようなオシャレなシューズ箱や、 馴染みのあるメーカー名が記載された段ボールなど。

日常で当たり前にある品物が、今私達の手元にあるのは、この商品を壊さず傷つけず安全に運搬され保護されてきたから・・ 大きな機械音と共に、しみじみと段ボールの大切さを感じました。

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子どもの未来を育てる職場体験

工場内を見せていただいたことにより、生活の上での視点の在り方を考えさせられました。

「学生さん達への職場体験や社会科見学等はされてありますか?」

16年ほど前、当時の某中学校の教頭先生から生徒に対しての社会授業としてゲストティーチャーとしてお声がかかった深町社長。 その頃から、今も尚続けている職場体験。今では授業の一環として取り入れている教育機関も多いですが、更に前から実施されてあったことに驚きました。

学生の頃から社会に触れ、体験を成長への力に変えていくこと。何事も挑戦であり、経験を積んでほしい。 社会に貢献する意欲、働いて育ててくれる家族への感謝心を感じてほしい。それが必ず生きる財産になる。

未来のためにできる事。あの頃からずっと続いていたのですね。

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私が20年前にニュージーランドへと人生初の挑戦ができ、その時に芽生えた「自信」が、今の私へと繋がり、誰かの幸せとなるような 活動をし続けたい!と志を持って進める原点をつくってくださった社長。

今もなお、その昔と変わらない想いそのままの社長の姿がココにあること、そして「教育」と「経験」することの大切さを伝え続けていること。 志高く継続していくことが、この偉大なる企業として存在し、次世代が育つ土台になっていると実感しました。

SORA-IRO広場と
子どもの喜ぶ顔と段ボール。

今年5月5日こどもの日。3年前から毎年開催されているソラフェス4.0。 岩田屋久留米店の屋上SORAIRO広場で、久留米市の子育て支援団体が終結し開催されるイベントにて、久留米紙器工業さんからのご厚意で提供していただいた 段ボールにてこども達が思いっきり楽しむこどもの日となりました。

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企画したのはこども達。「段ボールを使って色んなものを作ってみたい!」

広場に置かれたたくさんの段ボール。自由に描き、形作れるようにと真っ新なものをご提供いただき、こども達もワクワクが爆発状態。笑

マジックやクレヨンで絵を描き段ボール列車へと早変わり。身体にまいてロボット対決。輪っかにして芝生をゴロゴロ。 最後の最後には大きな段ボールハウスとなりました。

この日、段ボールによって遊び学び合ったこども達は、ものすごい発想力や団結力と可愛い笑顔を見せてくれました。

こども達にとっての段ボールは、成長の過程であり、もしかすると友達として一緒に遊んでいたのかもしれません。 こんな素敵な空間が生まれたこどもの日。久留米紙器工業さんの段ボールで喜び溢れる一日となりました。

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そして、筑後川と一緒に。

久留米紙器工場さんのパンフレットの表紙には、大きな曲線を描いた筑後川と会社が並ぶ写真。 深町社長が撮られた写真。久留米を象徴するかのような上から眺める景色がまた新しい段ボール市場を切り開くかのよう。

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当たり前のようにそばにあるけれど、私達の生活にかけがえのないもの「段ボール」。

久留米市のすぐ近く、福岡県大川市はいわずとしれた家具の名産地。家具の梱包にも久留米紙器工業の段ボールは幅広く使用されており最近は、家具もネット通販の影響で全国へ届けられるので久留米から全国各地へ久留米紙器工業の段ボールは活躍しています。

みなさんの家にある段ボール。
久留米紙器工業さんの工場で生まれたものかもしれませんね。

久留米紙器工業株式会社 くるめしきこうぎょう

製造業-パルプ・紙・紙加工品製造業
住所:〒830-0047 久留米市津福本町2305-3 西田工業団地
TEL:0942-38-1241

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